独学でピアノを身につけ、上級の楽譜も弾けるけど演奏の表現に対してお悩みの方。
せっかく楽譜が読めて弾けるならば、もうワンランク上のテクニックを取り入れて表現の上達にとりくんでみてはいかがでしょうか。
楽譜を読んで音符通りに弾くところから、音楽を自由に表現して楽しめるようになる上達のヒントをまとめました。
曲を表現すること
独学でピアノを身に付けるときに上級者でも見落としがちな部分は、一つ一つの音のバランスと演奏の表現です。
楽譜に書いてある音符だけでなく、テンポや強弱を良く見て演奏を上達させましょう。
楽譜にかいてある様々な表現の指示には、作曲者が込めた伝えたいことが詰まっています。
例えば、p(ピアノ)からf(フォルテ)に<(クレッシェンド)する部分一つとっても、感情がネガティブからポジティブに変わったことを表していたり、平凡だった日々に激情のできごとがおこったことを表すこともあります。
音の強さを表す記号が同じでも、曲によって使われ方はさまざまなのでどう演奏すればその気持ちを表現できるのか工夫してみましょう。
pが表しているものが悲しい冷たい気持ちなのか、柔らかい優しい気持ちなのか曲を書いた人物の性格やエピソードを知ることは上達のヒントになる場合もあります。
作曲家の考えに寄り添って楽譜を読み取ることもピアノ上級者の楽しみの一つです。
そして、いくら気持ちが曲に乗っていても鍵盤を叩く強さがコントロールできなければ気持ちは音に反映されません。
音階練習などを取り入れて指のタッチ感を養い、時には人に聞いてもらったり録音をして自分で聴いて「感情が音で表せているのか」を再確認することも上達につながります。
楽譜に書かれていない部分
楽譜には書いていなくてもピアノを弾くときに気をつけたい音のバランスや基礎的な考え方があります。
難しい曲を弾く上級者は、楽譜に書かれていない表現も意識してみましょう。
メロディーを際立たせて弾く
例えば左手が和音を弾いて右手でメロディーを弾く場合、右と左を同じ力で弾くと必ず左手の伴奏が大きくなりメロディーが埋もれてしまいます。
理由はピアノの構造で、低音部分は弦が長く太いのに対して高音部分は弦が細く短くなっているため同じ力で弾いても低音が響く楽器であることと、和音でいくつもの音を奏でるため旋律があやふやになってしまうからです。
(電子ピアノやキーボードの場合は、ものによっては低音部と高音部が同じ大きさで出ます)
上級者でも右と左の力のバランスを変えて弾くと、慣れないうちは難しいので音階練習のときにも取り入れてみましょう。
心地の良いアクセント
ピアノに限らず楽器を演奏する上で、聴いていて心地よい強弱の波があります。
クラシック音楽ならば四拍子の曲を一小節ごとに強・弱・中強・弱で弾くいたり、三拍子であれば強・弱・弱で弾くことで一般的にビートと呼ばれる音楽の波が生まれます。
ジャズの楽譜を練習しているのにいまいちしっくりこない場合は、クラシックと違って裏の拍にアクセントをつけるとノリが良くなることもあるので上級テクニックとして取り入れてみましょう。
強弱記号がない部分のクレッシェンド
pやfなどの強弱を表す記号がなくても曲の随所には盛り上がる部分が隠されています。
例えば低音から高音に向かって弾く場合はだんだん弱く弾き、高音から低音に向かうときには強くなったり、逆に高音に向かって段々強く、低音にむかって弱くなる方が良い場合もあります。
また、特徴的な音の使い方をしている曲ではその音にアクセントをおいて際立つように弾くとメリハリが生まれます。
強弱表現が楽譜に示されている場合はそちらを優先させます。
まとめ
レッスンに行かず独学で表現の上達を目指す場合、本や楽譜に書いていない基礎的な部分を知る機会はあまりありません。
テレビやインターネットでプロのピアニストやアーティストが演奏する動画を繰り返し見てみると、個性的な演奏の中にも段々ある程度の共通点があることに気づきます。
それは塗り絵と同じく、楽譜に書いてある部分は守って、曲の枠組みの中で表現していても個性が出るからです。
もう一度楽譜と向き合い、時間をかけて解読してみるのはいかがでしょうか。
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